知っておきたい、ピックアップ選定の基本

各種方式の加速度ピックアップのうち、圧電素子を利用した圧電式加速度ピックアップ(以下、加速度ピックアップ)は小型軽量で、高い周波数まで測定できるという利点を持ちます。振動測定にあたり、加速度ピックアップの選択は重要な要素の一つです。そのため測定目的によって使い分けができるように様々な仕様のものが用意されています。加速度ピックアップの選択においては、加速度ピックアップの構造・感度・測定周波数範囲・質量など、どの項目を優先するかを検討する必要があります。

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ピックアップの取り付け例と接続図

(赤枠のピックアップのみ本サイトで販売予定)

電荷出力型とアンプ内蔵型

電荷出力型

振動計、チャージアンプに接続して使用します。 感度は電荷感度 pC/(m/s2)で表記されます。耐久性(耐衝撃性、耐熱性等)に優れ、比較的安価です。接続コードは短くする必要があります。チャージコンバータVP40を使用することでCCLD電源搭載の分析器、データレコーダにも接続できます。

                                                             

アンプ内蔵型

CCLD(定電流駆動)電源を装備する分析器、データレコーダに直接接続して使用できます。コンパクトな測定系を構築できます。 感度は電圧感度 mV/(m/s2)で表記されます。長い接続コードを使用できます。

  

測定する振動の大きさと感度

感度が大きいほど、小さな振動に対して大きな出力が得られるため、微振動測定に適します。ただし、大きな振動の測定には適しません。

一方、感度が小さいほど、大きな振動を測定できます。ただし、微振動の測定には適しません。

取り付け方法による測定周波数範囲

測定対象物への取り付け方
加速度ピックアップを測定対象物に取り付ける場合、測定対象物と加速度ピックアップが一体となって振動する必要があります。また、加速度ピックアップを取り付けることによって振動状態が変化しないように注意する必要があります。

そのため、加速度ピックアップの質量や取り付け方法の選択が重要になります。
加速度ピックアップの代表的な取り付け方法
・ネジ

・絶縁アタッチメント

・瞬間接着剤

・両面接着テープ

・マグネットアタッチメント

・手による押し付け

・その他にワックス(市販品)による取り付け方法

質量

ピックアップの質量は、振動測定に影響を与えます。

ピックアップの質量が振動体に付加され、振動モードが変化するためです。

温度

振動体および周囲の温度に適した使用温度範囲のピックアップを選択してください。特に高温度では注意が必要です。ケーブル、アタッチメントについても使用温度範囲に注意してください。電荷出力型は電気回路を搭載しないため。比較的耐熱に優れます。

 

熱感度応答

振動体および周囲の温度変化が大きい場合には、熱感度応答の小さなピックアップを選択します。熱感度応答とは、ピックアップが急激に温度変化した際に発生する出力の変化のことです。(ゆっくりとした温度変化では発生しません)

 

3方向同時測定用

立方体、直方体の形状であり、直行する3方向(X,Y,Z方向)の同時測定が可能です。電荷出力型とアンプ内蔵型があります。